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総評|70年の歴史を綴り理想の作品が光る

審査委員長
前嶋實
前嶋實・審査委員長

 第70回「こども県展」開催おめでとうございます。主催者千葉日報社様の偉大な実績に感謝と敬意を表します。学校現場の期待に応えて、全国に類を見ない千葉県の図画工作、美術の教育を支えてきた偉大な展覧会です。

 新聞社ならではの立派な作品集の発行も、県下小中学校における年度の実践成果の記録として詳細に収録され、次年度への指導指針となっています。カラー印刷による優秀作品404点の収録は、本年度の最高作品として作者の栄誉をたたえる永久記録です。戦後の義務教育は、6・ 3制9教科の必修科目でスタートいたしました。

 図工(小)美術(中)の教科は他教科とは異なり、指導内容の解釈が曖昧な点があり、特に表現活動が学習の中心となる教科ゆえ、県下の学習状況は学校格差が大きく望ましい学習指導のあり方が問われました。この実績に鑑み、森桂一先生(千葉大学教育学部美術科初代教授)による「美術による教育」が提唱され、先生の指導を受け、現場で活躍する卒業1期生がブレーンとなって先生の理念を指導推進、県教育庁指導課の担当指導主事を中心に、県下小中学校の学習指導研究のため「作品展」を開催し、望ましい学習活動のあり方を研究推進するよう助言されました。このことが「こども県展」開催の原点です。当初は教育庁指導課中心の企画により、造形教育部会の先生方を総動員して各地区持ち回りの開催が続きますが、規模が大きくなり、会場難、ボランティアによる放課後休日活動準備時間の確保等開催が困難となり、折しも県立文化施設の充実を期に千葉日報社様に委託が叶い、「こども県展」の名称にて開催、県下を代表する大展覧会に発展いたしました。

 作品展の主役は小中学生の作者であり、各教科で学習した総合力を発揮して個性豊かな作品が県立県立美術館に光り輝き、多くの県民皆さんの鑑賞の機会となっています。お陰様で70年の節目を迎えます。学校直結の展覧会です。先生方の「表現の喜びを大切にする学習」推進のお陰です。

 先輩各位の永年の実績に感謝と敬意を表します。本展の開催に際し、後援でご指導賜りました千葉県教育委員会、千葉県造形教育部会、関係諸団体皆様に厚く御礼申し上げます。